USB-MIDI I/Fの「モタリ」を検証
25/7/12
執筆者:
Hiroshi Okawa
大量のSysexの処理が苦手な理由...

USB-MIDIインターフェースの基板改版が無事終了し、問題なく動作しました!
さらにUSBメモリを使って、フィルタリングやルーティングを複雑に構成することができるようになりました。
昔の懐かしい楽曲データを引っ張り出してきたところ、演奏にモタリのあるデータがいくつかありました。
モタリ...あまり聞かない言葉ですが、実は電子楽器の界隈ではよく使われます。
演奏のタイミングが詰まった感じになる...う〜ん、なかなか表現が難しいですが...
MIDIデータには、演奏データとは直接関係のないデータを含めることができます。
特にローランドのサウンド・モジュールはエンタメ性にも富んでいて、ディスプレイに絵を描画することができます。
その絵のデザインや動きをシステム・エクスクルーシブ・メッセージで制御することができます。
モタリの原因はこのデータで、通常の再生では大抵のUSB-MIDIインターフェースで問題ありません。
もちろん、今回作った自作のUSB-MIDIインターフェースもちゃんと再生できます。
ところが、そのデータを別のUSB-MIDIインターフェースで再生し、そのMIDI出力を自作のUSB-MIDIインターフェースのMIDI入力に入れ、サウンド・モジュールに出力するとモタリが発生します。
これは、自作のUSB-MIDIインターフェースがMIDIデータをパケットとして扱っていることに起因しています。
パケット処理することで、MIDIイベントのフィルタリング、マージ(ミキシング)、CHの入れ替えなどができるようになります。
その代わり、大量のシステム・エクスクルーシブ・メッセージの処理が、演奏データのタイミングに影響を与えてしまいます。
通常の使われ方では大量のシステム・エクスクルーシブ・メッセージが問題になることはないのですが、上記のようにUSB-MIDIインターフェースのMIDI出力をさらにMIDIインターフェースに入れたときにモタリが出てきます。
これがパケット処理によるデメリットではありますが、一般的な使われ方ではないので、ここは妥協できる内容かな...と感じています。
ようやく長年作りたいと思っていたものを作り上げることができました。
基板改版の記事はこちらに、演奏のモタリの観測・考察はこちらに記載しました。
また、演奏のモタリを解消した機能の紹介をこちらに記載しました。
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